聞き語り銘板

白狐ふたたび

 見える人Gさんの話である。

 ある夜、目が覚めると枕元に白狐が来ていた。お猫さま担当のあの白狐の眷属らしい。
 大きさは中型犬ほど。
 まだ寝ぼけていたGさんは思わずその体に顔を埋めてしまったという。
 これは神の使いのお狐様にすりすりした初めての人間ではないか。

 やられたお狐様は実に迷惑そうな顔をしたという。
 白狐の匂いは埃っぽかったとの話である。